日本顎口虫は、有棘顎口虫、剛棘顎口虫、ドロレス顎口虫などの顎口虫の仲間で、日本全国、特に中部地方から南の地方に多く分布しているとされています。これらの顎口虫は一般にイヌやネコそれにブタやイタチの胃や食道の壁に寄生しますが、中間宿主としてライギョ、フナ、コイ、ドジョウ、ナマズ、ヘビなどに寄生しています。成虫は赤みを帯びた太く短い寄生虫で長さ1~5cmほどです。
第二次世界大戦前後には、ライギョの生食による被害がけっこうあったそうです。また、1980年代以降には、輸入されたドジョウの「踊り食い」で剛棘顎口虫に罹った例が、これまでに約100件報告されています。最近10年間でも、国内産のドジョウや淡水魚が原因となった例として、日本顎口虫症が10件、ドロレス顎口虫症は20件ほどが報告されています